理事長挨拶(巻頭文)

安岡冨士子理事長写真
安岡冨士子理事長写真

一般社団法人日本綜合医学会

理事長 安岡冨士子

巻頭文
一般社団法人日本綜合医学会
発足に当たり

一般社団法人日本綜合医学会
理事長 安岡富士子

「玄米を主食」として、先人が残されてきた偉大なテーマを基に今は亡き沼田勇医師を中心として設立されてきた日本綜合医学会は、当時は歴史ある団体として注目され、また、食養の歴史にその一歩を刻んできました。

それは、日本をはじめ世界を席巻するような偉業を残されてきた沼田先生をはじめ、数々の医師の方々、また携わる講師陣及びスタッフの方々によって立証され、語り継がれ、「日本の伝統食」の足跡を残されています。そのことを、内部のみならず、外部にも伝えていくときではないかと考えます。

一般社団法人日本綜合医学会は、新たに、今年の春に立ち上がり、その大きな意義と価値観を、さまざまな形で伝えていくべきと考えました。

また、日本にお米が伝わってきたのが約3,000年くらい前の縄文時代に中国の福建省からではないかとされています。

その日本人としての米の遺伝子文化を再度、日本の子ども達に伝えること、次の世代へと引き継ぐことをテーマとして取り組んで参ります。

この米文化を伝え、主食としての米を再度見直し、パン食文化だけではなく、

これを途絶えることなく次の世代へとつなぐ必要があると思います。今後も、日本の和の食文化の新しい展開へと導くことが必要であると同時に当一般社団法人日本綜合医学会が、テーマであるその特異性を生かして、主張する時ではないかと思われます。

沼田医師の偉業は、特に敗戦後に中国に残された日本兵を一人残らず、日本に引き上げるよう指令を受けた軍医としての重責を負いながら、疫痢やコレラが蔓延する中、中国から誰一人欠けることなく、日本に帰還させたことは世界中から、尊敬され、賞賛を受けたことは、WHO世界保健機関の中にも刻まれています。そのことは、今、コロナ禍の中、何らかの主張をするときではないかと思います。

その先人たちが残した、食育・食養の研究は、今、玄米食を中心としてブームを巻き起こし、注目されていることはご存知の通りです。日本中のいたるところで、玄米の歴史は語り繋がれていたのです。

他の団体の、例えば公益法人・日本栄養士会のメンバーさんや、地方自治体との協働事業の中で、玄米の素晴らしさを伝えていっている団体も数多く見ることが出来ます。一般社団法人日本綜合医学会も再度、その大切さを外部にも主張していくときではないかと考えます。

その一方で、偉大なる科学の力、医学の力はノーベル賞を代表として、数々の賞を受賞され、難病を持つ人々に夢と希望と生きる力を与えました。世界中の研究者の皆さまが、一刻も早くそれを必要としている患者さんのもとに送り届けたいと努力され、今も研究中であると聞きます。また、国内では、その臨床にあたられている医師の方がたの存在にも頭が下がります。心からエールを送りたい気持ちでいっぱいです。

又そういう中でも、未病と言われる、病気にならないための努力をする事が大前提としてあります。我々は、病気を未然に防ぐための努力は、必ず何らかの安心と安全を保つために必要です。

また、歴史的な見地に立って顧みると、日本の文化は、いろいろな角度からも注目されて来ています。例えば、その時代、その場所、そこに暮らす人たちが、国宝と言っても過言ではない「日本の菌」を守り、日本の伝統を支えて来ました。

いわゆる和の文化を作り上げてきた「国菌」について、室町時代にはすでに味噌醤油の発酵食品に至る書物は残されているそうです。玄米を主として、納豆、豆腐、また、山野草やハーブなどなど、みなさまもご存知のことと思いますが、いまや、和の文化は、日本の「お家業」として重要な位置におかれています。

2013年に日本の和食は、世界無形文化遺産に登録されました。本来、ユネスコ無形文化遺産の登録目的は、「絶滅危機に瀕している文化」の保護をすることです。失われつつある「日本の伝統的な食文化」である和食の保護が目的です。そんな状態の中で何よりも大切なことは、我々が日常的に「和食とは何か」について考え続けることであるとしています。特に麹、味噌、醤油などの発酵文化を守ることが大切であると強調しています。決して、和食のすばらしさだけではありません。

40年前に「日本の菌」の存在を知ったアメリカ人は、日本食を取り入れ、日本食の効果を全米に知らしめることとなったほどです。反対に日本は、欧米型になってしまったという歴史的事実も受け止めながら、少しずつ、日本古来の和の食文化を取り戻していく時ではないかと思っています。

一般社団法人日本綜合医学会の置かれている立場は、玄米の歴史はもちろんのこと、発酵文化の大切さ、いわゆる米ぬかや麹の文化を伝えることでもあり、

東洋医学のあるべき道、あらゆる知識の集結をこころみて、再度、神髄に迫るべき活動へと進んで参りたいと考えているところです。

子ども達をはじめとして、すべての国民を健康体へと導いてあげることにつながる、重要な位置にいるのではないかと考えます。

みなさまのお知恵をお借りしながら、一歩ずつ歩いていきたいと考えています。どうぞよろしくご指導を賜りますようお願いして、理事長挨拶とさせて頂きます。

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